ゲームのオンライン通信の形式と改善の話

昔のマルチプレイと言えば、通信ケーブルを持ち寄り有線で友人と肩を並べて遊んでいたものだが、時代は移り変わり、それぞれが家にいても、外国のゲーマーとマルチプレイをできるようにまで発展した。

しかしその弊害として、それぞれの通信環境が対戦の優劣を決めてしまったり、チームの足を引っ張ってしまうことも少なからず起こるようになってしまった、

今回はマルチプレイの通信形式や、通信環境を改善するにはどのようにすれば良いのかを解説していこうと思う。

昨今の通信形式はサーバー形式かP2P形式

昔から続いているオンラインゲームやマルチプレイ対応タイトルの多くは、ゲーム会社が地域ごとや初心者などのプレイヤーの状況に合わせて、自社ゲーム用サーバーを設立、多くのユーザーがそこにアクセスして、そのサーバー内で遊ぶ形式が主流だった、

今現在でもサーバー形式を採用しているオンラインゲームやタイトルも多く、自分の住んでいる地域のサーバーにアクセスすることで、比較的安定してオンラインプレイができる。

しかし、サーバーをそのゲーム会社が管理しているため、サーバーの稼働終了によってオンラインプレイが不能になったり、サーバーのメンテナンス中はそのサーバーが使えない、人が集中してしまうとサーバーの許容限界を迎えて、オンラインプレイが重くなってしまうなど、どんなに技術が発展しても避けられない問題も多くある。

そして近年主流になってきているのがP2P(Peer to Peer「ピア・ツー・ピア」)方式である、

これはサーバーを経由せずに、直接プレイヤー間でネットワークを構築、通信プレイを可能にするというものである、

「スプラトゥーンシリーズ」や、「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」、PS4タイトルなら「機動戦士ガンダムエクストリームバーサス マキシブーストON」等が上げられる、

サーバーを経由することが無いので、メンテナンスフリーで人口過多による遅延など、従来の「サーバー形式」で起こりうるデメリットが無くなっているが、プレイヤーの通信環境が直接マルチプレイに反映されてしまうため、快適なマルチプレイを行うには自分で速度対策を考えなければならないし、そのための知識が必要と、良いところだけとは限らない。

通信環境を改善するために知っておく事

「サーバー形式」「P2P形式」どちらにも言えるが、インターネット環境の改善が快適なオンラインプレイをするための最適手段だ、しかし自分のインターネット環境を知っておかねば、今の環境に何が足りなくてインターネットが重いのかわからず、無駄な部分にお金をかけてしまって損をする場合があるので、一つずつ確認してから、問題と思われる部分を改善していこう。

どうやってインターネット回線を引いているか

一口に「インターネット回線につないでいる」といっても「戸建て形式で回線をつないでいるのか」「マンションに備え付けの回線を使っているのか」等でも状況は大きく変わる、

そこには「それぞれの回線の引きかた」にある。

マンション備え付きの回線には注意

マンションにあらかじめ設置してあるタイプのインターネット回線は「1つの大きな回線を各部屋に分配している」パターンが多い、そのため「マンション住人がネットをよく使う時間帯」や「入居者のネット利用状況」によっては回線速度が落ちてしまうことが多い、

マルチプレイなど、インターネットのヘビーユーザーは入居する際に、その物件のインターネットの形式と「個人で回線を引くことが可能かどうか問い合わせる」事も快適なネット環境を整えるのに重要かもしれない。

ルーターのランクと最適な設定の確認

一口に「ルーター」といっても様々なモデルが存在し、各用途に適した価格になっている、

例えば「バッファロー」のホームルーターを例にするとスタンダードモデルとして「WSR-3200AX4S-BK」が上げられている、様々な機能や最新のWi-Fi規格「Wi-Fi6」に対応しているなどたくさんの便利な機能がついてAmazonでは11,780円とお手頃価格、

しかし、「スタンダード」と銘打たれているだけあり、知識の少ないヘビーユーザーが使用していると、予期せぬトラブルに見舞われることもある、

例えばこんな話がある、youtubeを見ながら「機動戦士ガンダムエクストリームバーサスマキシブーストON」をするのが日課だったのだが、スマートスピーカーを家庭に導入した前後あたりから突然マッチがブツリと切れて、良くてマッチングのやり直し、最悪対戦中に通信が切れて、ペナルティを連続でくらってしまい、ランクが一番下まで下がってしまった。

「ルーターの寿命か?」とルーターを買い替えて「LANケーブルの断線か?」とLANケーブルを買い替えて「無線にしたら治るか?」と設定をいじくり回した、そしたらネットにつながらなくなり一晩ネットがお預け状態に…

そんなこんなで半年おいていたが、ふとした拍子にこちらのプレミアムモデル、「WSR-5400AX6B-MB」に買い替えてみた、

すると以前まで起こっていた通信障害がなくなり、何ならスマホやタブレットなどの回線速度もかなり改善された、

つまり今回の原因は「ルーターのCPUの性能が足りず、許容量以上の機器を繋いだことによるキャパオーバー」が騒動の原因である、

お気づきだろうか?前述の「知識の少ないヘビーユーザーが使用していると、予期せぬトラブルに見舞われることもある」とは自分の体験談である。

総評として、現在ネットワークにつないでいる機器の台数や使用状況に応じて、「ルーター」機器のグレードアップも視野に入れておかなければ予期せぬトラブルに見舞われた際の原因の落とし穴になってしまうので「ルーター」にもランクがあり、ネット環境と見比べて選んでいくことも時には必要である。

続いて「ルーターの設定」に関しての話だが、基本的に「ルーター」選びに失敗しなければ、有線接続にしてしまえば安定した環境でプレイができる、

「P2P形式」でのマルチプレイが多いのであれば、精々「UPnP」機能の無効化ぐらいで十分だと思われる、

無線でネットにつなげる場合は「倍速モード」の帯域を最大にして、「マルチキャストレート」も最大に「ビームフォーミング」をONに「送信出力」を100%にしたら快適になる。

こういった専門用語は後日別記事にて纏めようと思うのでそれまで待ってほしい。

LANケーブルは何もランクが高ければ良いというものではない

LANケーブルにも様々なランクがある、家電量販店などに行くと、「CAT6」「CAT6a」「CAT7」etc…

詳しい説明が書かれていないが「10Gbpsで高速!」等の表記で高速通信が可能なことはなんとなく分かる、

素直に見てしまえば「数字が大きいほうが性能良いから良いんじゃない?」となるし、その認識はあながち間違いではないのだが、買い物には「予算」という概念が存在することを忘れてはならない、

LANケーブルのカテゴリは「通信速度」と「周波数」で区分されており、「周波数」は各家電からの干渉から防御して通信速度を安定させる役割がある。

値段もランクごとに差があり、「バッファロー」の1メートルLANケーブルで比較してみても「CAT6」だと358円

現在最高ランクの「CAT8」だとなんと1,545円と値段に大きな幅が出るのがわかる、

では「高いランクのLANケーブルを買っておけば外れはしないだろう」という考えは間違いである、

なぜならば「インターネット元の回線の速度」がLANケーブルの最大回線速度より少なければ、ランク差分の値段は無用の長物、豚に真珠な結果になってしまうからだ。

例えば「ドコモ光」では契約内容次第では最大の回線速度が「10Gbps」である、しかしこれは理論値なので実際の通信速度は環境によって違ってくる、

さらにルーターを介して有線接続でインターネットを使う場合、ルーターのLANポートの方での最大通信速度を確認すると先述のプレミアムモデルルーター「WSR-5400AX6B-MB」でも最大速度は「1Gbps」なのですべてのLANケーブルを「CAT8」で統一して使用しても、LANケーブルの最大通信速度「40Gbps」に達することは無いので、無駄な部分でお金う使ってしまうことになる、

今現在のインターネット契約やルーターの通信速度から最適なLANケーブルを選ぶとするならば、10Gbpsの回線契約をしているなら「モデム」と「ルーター」間のケーブルを「CAT6A」に、「ルーター」と「パソコン等有線接続機器」は値段を抑えたいなら「CAT5e」気にしないなら「CAT6A」で統一してしまっても良いだろう、

他にも「CAT6A」の利点として「長距離配線にも対応している」事が上げられるので「モデムとルーターの距離が離れている」といった場合でも速度を落とさずに配線できる事もおすすめできる理由の一つである。

ゲーム機側のネット設定

ゲーム機側でのインターネットの高速化といってもできる事は少ない、精々「DNS」の数値を設定したり、switchなら「有線LANアダプター」を購入して有線接続してしまうのも一つの手だ、

「DNS」の数値指定とは言わば「インターネットの経路の固定」で、「プライマリーDNS」を「8.8.8.8」に、「セカンダリーDNS」を「8.8.4.4」にすることで「Google」のサーバーを経由してインターネットに接続される状態を維持することになる、

しかしこれらの設定はどちらかというと回線の安定化を図るための工夫なので、劇的に回線速度が上がったりする事は無いので注意。

どうしても今の環境よりも回線速度を早くしたいのなら、契約会社の見直しがもっとも有効

最終的にどんなにこちら側の通信環境を改善しても、大元である回線の提供会社側の方の速度が心元なければどれだけ改善に努めようとも微々たる差しか改善は見込めない、

まずは今のネットの契約環境の見直しと他者回線との比較、SNSなどでの口コミの情報収集等をして、今よりもっと回線が早いプロバイダがあればそこに乗り換えるのが、回線の高速化に一番効果的な方法であったりする。

最後に

しかし最終的に求められるのは「どれだけ性能の良い回線を選ぶか」ではなく「自分が満足する環境は何か、そこに達成するにはどうすればいいか」なので、インターネット環境の見直しや改善は、まずトラブル等の壁が立ちふさがった時に考えるのが一番だろう。

さもなければ、ネット環境の泥沼にはまり、いつまでも隣の芝が青く見えてしまうことだろう…

何事も程々が一番なのである。

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