伝説の男が帰ってくる!「METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1」の話

「METAL GEAR SOLID」(以下MGS)シリーズをご存じの方は多いのではないだろうか、

主人公「スネーク」を操作して、敵に見つからないように隠れながら進み、さまざまなアイテムや武器を駆使してボスと立ち向かうステルスゲームの金字塔。

今現在自らスタジオを立ち上げ、「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」をリリースして現在続編を作成中の「小島秀夫」さんが監督したこのシリーズは、ステルスアクションという新しいジャンルの確立と共にシリーズ毎に散りばめられた小ネタや当時の政治や現代社会に一石を投じるような重厚なストーリーで数多くのファンに今でも愛され続けている。

シリーズの前身である「MSX2」のタイトルである「メタルギア」からカウントすると36年の歴史があるので今からシリーズすべてを追いかけるとなると、PS3で初代「METAL GEAR SOLID(ゲームアーカイブ版)」1と「メタルギア」とその続編「メタルギア2」を収録した「METAL GEAR SOLID HD EDITION(MGS2とMGS32のHDリマスター版)」を購入、「MGS4」や「MGS:PW(ピースウォーカー)3HD EDITION」4もPS3で遊べるのでこちらも購入して…と少々値が張ってしまう…

しかし今年10/24日に「METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1」が発売、

しかもプラットフォームが「switch」「PS4/5」「XboxX/S」「PC(Steam)」と幅広く対応しており、多くの人たちが「メタルギアシリーズ」の歴史に触れられるようになっている。

「Vol.1」とあるように今回のコレクションには「MGS」の全タイトルが収録されている訳では無く、

「メタルギア」,「メタルギア2 ソリッドスネーク」と「MGS」シリーズの1~3までが収録されている。

個別で「MGS1」のみ購入するといった事もできるが、すべて収録されている「MASTER COLLECTION Vol.1」を購入するとボーナスコンテンツとして、ファミコン版「メタルギア」や海外でのみ発売された「SNAKE’S REVENGE (スネークズ リベンジ)」が収録されている他に、デジタルサウンドトラックや、映像作品としてストーリーを再構成した「METAL GEAR SOLID BANDE DESSINÉE」「METAL GEAR SOLID2 BANDE DESSINÉE」がDLCとして収録されている。5

コレクション一覧
左から「ボーナスコンテンツ」「メタルギア1&2」「MGS1」「MGS2」「MGS3」

今回は「MASTER COLLECTION Vol.1」に収録されているそれぞれの作品の解説や当時のタイトルからの変更点なども挙げていこうと思う。

メタルギア・メタルギア2 ソリッドスネーク

メタルギア1&2

記念すべき「メタルギア・サーガ」の第1作とその続編、

「MASTER COLLECTION」を単品購入した際は「MGS1」に収録されている。

メタルギア タイトル

シリーズを通しての「丸腰でのスタート」「敵に見つからないように進む」といったスタイルは既に確立されており、無線でアドバイスをもらいながらステージのギミックを潜り抜けクリアを目指していく。

「MSX2」という規格のPCゲームなので全編ドット絵で構成されており、画面もマップ全体を映す構図で、エリア移動で画面が切り替わった先の敵の配置などを確認しないと移動した瞬間敵に見つかる可能性もあるため「双眼鏡」での索敵が大事になってくる。

「メタルギア2 ソリッドスネーク」になるとドット絵と共にゲームシステムが進化、

メタルギア2 OP

ほふく前進や、壁をパンチすることで敵兵を誘導したり、のちのシリーズで行えるテクニックが追加されている。

またこのタイトルのストーリーが「MGS1」のストーリーにも関わって来るので、ぜひプレイしてみてほしい。

METAL GEAR SOLID

MGS1

ハードが「初代PlayStation」に移り、3Dポリゴンによって立体的な潜入アクションに進化した、

「メタルギア」シリーズで培ったテクニックも活用しつつ、単身基地内に潜入してゲームクリアを目指していく。

MGS1 タイトル

「初代PlayStation」に搭載された「メモリーカード」や「コントローラの振動機能」などをフル活用した演出や3Dになったことで新しく「壁に張り付く」「主観カメラを使って周囲の索敵」等新しいアクションも潜入アクションの行動の幅を広げていった、

クリア時間や、発見された回数等のスコアで様々な称号がもらえるようになったのもこのタイトルから。

ちなみに「MGS1」には「メモリーカード内の特定のセーブデータに反応する」シーンがあるのだが…

なんと今回そのシーンを見るために「仮想セーブデータ」を搭載する機能が追加されている!

今回の「MASTER COLLECTION」版「MGS1」には初代「MGS1」の他、「VRミッション」等数々の追加要素が搭載された英語音声版「インテグラル」6「(北米版)VR MISSIONS」「(欧州版)SPECIAL MISSIONS」の計4タイトルが収録されている。

しっかり説明書も入っているので、操作方法やゲームの使用について困ることがない、

MGS説明書

ちなみに説明書の内容自体はwebブラウザで閲覧するのだが、タイトル部分は当時のパッケージを模した作りになっており、裏返すことで「当時のパッケージの裏側」を見ることもできる。7

さらに「MGS1」までのタイトルは「L1+R1」で設定メニューを開くことができる、

画面比が9:3なのでゲーム画面の位置や空白部分の壁紙の変更、説明書の確認ができる。8

METAL GEAR SOLID 2

MGS2

「MGS」シリーズ初の「PlayStation2」タイトル、

グラフィックがより進化、ポリゴンから3Dモデルになることで、キャラクターの表情の変化や演出のリアリティが増した。

さらにムービーシーン時に事前に用意したムービーを再生する9のではなく、ムービー中も実際のキャラクターを動作させてイベントムービーを再生させる「3Dポリゴンデモ」10を採用、実際にプレイヤーが持っている装備がムービーに反映されたり、その特性を生かして、ムービーシーンに登場するキャラクターを好きなように配役して閲覧することができる。11

「MASTER COLLECTION」版は2011年発売の「METAL GEAR SOLID HD EDITION」を元にしているため画面比が16:9に、収録内容も「HD EDITION」と同じ内容なので残念ながらPS2当時収録されていたミニゲーム「SKATEBOARDING」12は遊べないがそれ以外の後年発売された「MGS2 サブスタンス」に収録されている「VR MISSIONS」「ALTERNATIVE MISSIONS」13「SNAKE TALES」14をプレイすることもできる。

「スネーク」を操作してタンカー内に存在する新型メタルギアの存在を調査する「タンカー編」と、

新キャラクター「雷電」を操作して、海洋除染プラントを占拠した特殊部隊と戦いながら事件の真相を追っていく「プラント編」で構成されている。

雷電

アクションも主観での攻撃や飛び出し撃ち、水中を泳ぐ、ぶら下がり、ローリングによる体当たりなど豊富になり、更に未発見状態で敵をホールドアップさせることが可能に、敵兵の顔に銃を向けるとアイテムを落とす等、弾薬の確保もしやすくなった。

武装方面では「麻酔銃」が追加、敵を殺さずに無力化することで、ノーキルクリアが可能になった。

さらに収集要素として「ドッグタグ」が追加されており、収集率で様々なアイテムや要素がアンロックされる、すべてコンプリートするには全難易度の攻略が必要になる。

METAL GEAR SOLID 3

MGS3

シリーズ3作目にして「メタルギア・サーガ」のプロローグ、

「メタルギア」「メタルギア2ソリッドスネーク」の2作品に登場した宿敵「BIG・BOSS(ビック・ボス)」誕生の物語。

初代「メタルギア」から「MGS2」までのストーリーの年代が、1995年~2009年の出来事なのだが、舞台は1964年の冷戦時代、主人公である「ネイキッド・スネーク」が主人公。

ネイキッド・スネーク

キャラクター等の造形が「MGS2」から更に進化し舞台も屋内を基本としたステージではなく、ほとんどが密林や洞窟など屋外での行動が基本となる。

ゲームシステムとして新しく「カモフラージュ率」を採用、

現在の状況に合わせた「フェイスペイント」と「野戦服」に着替えることで周囲と溶け込み、敵の視界をすり抜けて、後ろに回り込むなどステルスアクションがより戦術的かつ大胆に行えるようになった。

更にスタミナゲージを採用、移動やぶら下がり、ほふく前進等の行動で減少し、少ない状態だと照準がぶれたりライフの回復速度が減少したりする、15

スタミナゲージを回復させるにはマップ内に存在してる動植物を捕獲(キャプチャー)して食べることで回復できる、

敵兵にも空腹の概念が追加されて、マップ内の食糧庫を破壊することで敵を空腹状態にする事も…

更に今作は現実時間とゲーム内の時間が連動しており、果物や生け捕りにしなかった動物などが現実時間の経過で腐ってしまったり、特定の場所だと特殊イベントが発生することも、

ちなみに「キャプチャー」した生き物は投擲することが可能なので空腹状態の敵に投げつけると…

ダメージ関連もよりリアルになり、重症状態(骨折・切創等)になった場合「キュアー」画面で適切な処理を行わないと一定量のライフが回復しない。

さらに「CQC」が追加、敵を拘束した後の選択肢が増えて、尋問・絞め落としての気絶16・ナイフによるキル・地面に投げ倒してからのホールドアップと情報収集・無力化がしやすくなった。

無線の内容や小ネタ等はシリーズ中最大のボリュームとなっており、周回プレイをする度に新しい発見がある。

「MASTER COLLECTION」版は「MGS2 HD EDITION」にて同時収録されていた内容の

移植になっているので、発売当時に追加されていたミニゲームや一部アイテム、後年発売された追加版「MGS3 サブシスタンス」に収録されていたおまけムービー集「シークレットシアター」が無くなってしまっている、

しかし本編は「サブシスタンス」準拠なので「MGS」シリーズ初の従来の俯瞰視点ではなく、スネークを中心に右スティックで360度見渡せるようになり、索敵やアイテム探しがより便利になった17

ボーナスコンテンツ

MASTER COLLECTION

「MASTER COLLECTION」のフルセットを購入した際についてくる。

ファミコン版「メタルギア」

ファミコン版タイトル

「MSX2」版「メタルギア」が人気を博した結果、ファミコンに移植された作品、

…なのだが今作に対して小島監督を始めとした「MSX2」版スタッフがかかわっておらず、内容も様々な部分に変更が加えられている。

ゲームの冒頭やメニュー以外にもゲームシステムにも様々な変更が加えられており、ある意味「MSX2」版よりも高難易度な作品になっている。

「SNAKE’S REVENGE (スネークズ リベンジ)」

スネークリベンジ

海外のファミコンで発売された「MSX2」「ファミコン」版の「メタルギア」の続編、

とは言っても「メタルギア2 ソリッドスネーク」ではなく、完全なオリジナル作品である。

当時海外で発売された「ファミコン版メタルギア」が大ヒットしたのだが、当時小島監督は「メタルギア」の続編を作成する予定は無く、海外の要望に応える形で小島監督とは別のファミコン部署が製作する形となった。

ストーリーやシステムも完全オリジナルで、日本版が出ていないため言語も英語オンリーとなっている。

「METAL GEAR SOLID BANDE DESSINÉE」

バンドデシネ

「METAL GEAR SOLID」を原作にストーリーを再構成した映像作品、

海外で発売されている全12巻のコミックス18をベースに画像にポリゴンを張り付けることで画像に動きをつけて、映像や音響演出を追加することで1本の映像作品として「MGS1」が楽しめる。

「METAL GEAR SOLID2 BANDE DESSINÉE」

バンデシネ2

「METAL GEAR SOLID BANDE DESSINÉE」の「MGS2」版、

大きな特徴として「プラント編」のストーリーが「雷電」ではなく「スネーク」の視点で描かれており「プラント編」の裏側が描かれている。

「デジタルサウンドトラック」

「メタルギア」から「MGS3」までの選りすぐりの20曲を収録、

シャッフルやリピート再生も可能。

デジタルサウンドトラック

最後に

これで「METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1」に収録されているタイトルの紹介は終わり。

続く「 Vol.2」にはPS3でしか発売されていなかった「METAL GEAR SOLID 4」の収録が期待されており、発売時期等はまだ発表されていないが、「ソリッド・スネーク」が最後に登場する「MGS」シリーズの時系列では一番最後の物語なのでぜひプレイしたい。

「METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1」には「スネークリベンジ」など今では遊べないタイトルも収録されているためぜひ皆さんにもプレイしてもらいたい。

脚注

  1. 初代PlayStationタイトル ↩︎
  2. PlayStation2タイトル ↩︎
  3. PlayStation Portableタイトル ↩︎
  4. PlayStation3タイトル ↩︎
  5. 2013年に発売された「メタルギアソリッド レガシーコレクション」に収録されたのが最後 ↩︎
  6. 「完全」という意味がある ↩︎
  7. 特定の部分でつまった時にこの内容を覚えていると… ↩︎
  8. コントローラー設定の中には…? ↩︎
  9. プリレンダリングムービーと呼ばれる ↩︎
  10. リアルタイムムービーとも呼ばれる ↩︎
  11. ストーリークリアのおまけ要素 ↩︎
  12. スケボーでステージを滑って得点を稼いでいく ↩︎
  13. 仮想空間ではなく本編ステージを舞台としたVRミッション、条件の達成でキャラクターが増える ↩︎
  14. スネークが主人公の外伝 ↩︎
  15. 少なすぎる状態だとお腹が鳴って…? ↩︎
  16. 過去作だとキル判定になってしまう ↩︎
  17. 右スティック押し込みで従来の俯瞰視点に切り替え可能 ↩︎
  18. 日本では発売されていない ↩︎

コメント

タイトルとURLをコピーしました